1.中国人集客サービスの種類と特徴
1-1.中国人集客サービスの種類
今、トレンドの中国人集客サービスにはさまざまな種類があります。その代表的なものが、口コミサイトや口コミアプリ、SNS、インフルエンサーを活用したものです。
口コミサイトやアプリは、中国人ユーザーが店舗や企業に対して口コミ投稿をするもので、日本の「食べログ」のようなイメージのものから、ジャンル問わず飲食店、小売店、フィットネス、ホテル、美容院などさまざまなサービスの口コミが集約しているサイトやアプリがあります。
中国人にとって口コミは非常に重要で購買の大きな決め手となることから、口コミサイトや口コミアプリで情報発信することは、集客サービスとして非常に大きな効果が期待できます。
また中国人が日常的に頻繁に利用しているWeChat(微信・ウィーチャット)やWeibo(微博・ウェイボー)といったSNSも集客の重要なツールとなります。公式アカウントに登録し、企業ページを作成してそこから情報発信やユーザーとのコミュニケーションを図るのが基本戦略となります。
またインフルエンサーマーケティングも中国人インバウンド集客には有効です。中国ではKOLマーケティングと呼ばれることが多く、KOL=Key Opinion Leaderのことで、中国版のインフルエンサーを指します。KOLはWeChat(微信・ウィーチャット)やWeibo(微博・ウェイボー)のアカウントを持っていることが多く、そこで情報発信をすると多くのフォロワーが反応し、そして普段から彼らの情報を重要視します。また記事をシェアしたり、拡散もします。日本でもTwitterやInstagramで著名人が情報発信すると多くのユーザーが反応しますがそれと似ています。ただ日本よりもKOLの影響力は大きいと考えられています。
1-2.中国人集客サービスの特徴
それぞれの中国人集客サービスの特徴を見ていきましょう。
1-2-1.大衆点評
大衆点評は世界中の店舗情報と消費者によるレビューを掲載する中国最大の生活情報サイト・アプリです。日本でいう「食べログ」のジャンル拡大版です。
掲載情報は飲食店に留まらず、ショッピング、エンターテイメント、ホテル、サロン、クリニックなど3300万件以上の登録店舗数があります。
一番の特徴は口コミで成り立っているところです。基本的にユーザーが企業や店舗の店舗ページを立ち上げて、口コミを掲載します。企業や店舗も公式登録することで、ページ情報の登録、おすすめメニューや画像の登録、クーポン設置、広告配信などが行えます。
平成31年3月に発表された三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社の「平成30年度 食によるインバウンド対応推進委託事業(お土産市場行動調査事業)報告書(農林水産省委託事業)」によれば、中国人訪日旅行経験者から「訪日前に『大衆点評』で飲食店の情報を収集・検索した」というコメントが複数得られたといいます。
大衆点評は多くの中国人インバウンドが訪日前に口コミ情報を見るアプリの代表といえます。
1-2-2.WeChat(微信・ウィーチャット)
WeChat(微信・ウィーチャット)は中国で人気No.1のチャットアプリです。月間アクティブユーザー数は全世界で11億人を突破したと公表されています(2019年7月時点)。
日本のLINEのようにチャットツールとして、日常的に家族や友人などとのコミュニケーションツールとして活用されているほか、WeChat PayやQRコードを利用した電子マネー決済機能の登場により、もはや中国人の日常生活に欠かせないインフラと化しているとまで囁かれています。
企業は公式アカウントを取得することができ、多くの中国企業が顧客ロイヤリティの向上やVIP顧客の囲い込みなど主にCRMを目的として利用しています。
企業がWeChat(微信・ウィーチャット)上で公式アカウントを取得して運用することは、今や中国マーケティングには欠かせないものであり中国人インバウンド集客にも大いに活用されています。WeChat(微信・ウィーチャット)から外部の公式ホームページに誘導したり、内部にWebサイトを構築したり、クーポンを配信したり広告を配信したり様々な施策を講じることが可能です。
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※Weixinは、WeChatの中国国内向けアプリです。
1-2-3.Weibo(微博・ウェイボー)
Weibo(微博・ウェイボー)は、「ミニブログサイト」とも呼ばれるSNSです。中国を中心とした世界中のユーザー数は8億人以上、月平均のユーザー数は4.65億人といわれています(2019年8月時点)。
TwitterやFacebookのようにテキストや画像、動画を投稿して、そこへ「いいね」やコメントをもらい、コミュニケーションを図ります。
WeChat(微信・ウィーチャット)同様、このWeibo(微博・ウェイボー)上でも企業は公式アカウントを取得することができ、多くの企業がマーケティングに活用しています。Facebook公式アカウントページのようなイメージの自社のページを持つことができるのです。
公式アカウントページには、タイムラインにさまざまな情報を発信できるほか、バナーやクーポン情報なども掲載可能です。
1-2-4.インフルエンサー(KOL)
中国版インフルエンサー、KOLを活用する中国人集客方法はすでに多くの企業が実施しています。
例えばKOLに商品を実際に使用してもらい、その感想をKOLのSNS公式アカウント上などで画像や動画付きで発信してもらうことで、そのKOLの情報を重要視するユーザーたちが反応しどんどん拡散していきます。
このKOLによる集客術に効果が期待できる理由は中国人が企業の公式情報よりも、KOLなどの口コミ情報に信頼を寄せ、重要視する傾向があることが背景にあります。